2.環境のために
行動基準「地球環境とともに」
企業理念を実現するための指針である行動基準に、環境に関する章として「地球環境とともに」を設け、地球環境の保全は私たちの責務であると自覚し、実践していきます。
- 地球環境の保全
- 地球温暖化防止
- 循環型社会への貢献
- 化学物質の適切な管理による環境負荷の低減
- 生物多様性への取り組み
- 環境コミュニケーション
省資源のために


太陽光発電システムの導入
三田西工場(兵庫県三田市)と第二九州工場(福岡県飯塚市)で工場内に「太陽光発電システム」を設置し、製造工程でグリーン電力を活用するなど、CO₂排出量の削減のための取り組みを進めています。
三田西工場では太陽光パネルを約450枚設置し、電気使用量の6%に相当する266MWh/年を発電。これにより、年間で89t-CO₂のCO₂発生を削減できる見込みです。また、太陽光パネルを屋根に設置したことで屋根が日陰となり、遮熱効果による夏場の室内温度の上昇抑制という副次的な効果も出ています。

製造時に発生するPTP包装廃材のリサイクル
錠剤やカプセル剤などの包装工程で発生するPTP包装の廃材をリサイクルする取り組み※1を鹿島工場(茨城県神栖市)で行っています。
PTPシートはプラスチック素材に熱を加え、錠剤やカプセル剤が入るポケットを成形し、錠剤等の充填後にアルミフィルムを接着しています。これまでは、そのプラスチック部分とアルミ部分を剥離することができず、包装工程で生じるPTPシートの廃材は焼却し、その灰をコンクリートの原材料の一部にしていましたが、プラスチック部分とアルミ部分を完全に剥離する技術が新たに開発され、それぞれの素材としてリサイクル※2が可能になりました。
このリサイクルの取り組みにより、CO₂発生量は、焼却処理と比べて約94%の削減が可能となります。

PTPシート

剥離後のプラスチック

剥離後のアルミ
- オリックス環境株式会社とともに行う取り組み
- プラスチックは建材やオフィスで使用されるタイルカーペットの原料に、アルミは溶解し、さまざまなアルミ製品に再利用されています。
PTPシートのプラスチック量を削減
錠剤やカプセル剤などの包装で使用するPTPシート※1において、沢井製薬における最薄防湿PTPシートを開発※2し、一部の製品より使用を開始しました。
このPTPシートは厚みが165マイクロメートルで、従来のものと比べ、50マイクロメートル(約23%)の薄肉化に成功しました。この結果、1シートあたりに使用するプラスチック量を約22%削減するほか、高防湿な性能を保ったまま、錠剤の取り出しやすさも期待できる、沢井製薬において最も薄い防湿PTPシートです。
2024年6月発売の新製品でこのPTPシートを用いることで、従来品と比べて温室効果ガス排出量を24%削減※3できる見込みです。
- 錠剤やカプセル剤をプラスチックとアルミで1錠ずつ分けて密閉するシート
- 住友ベークライト株式会社との共同開発
- データは住友ベークライト株式会社より提供
包装資材へのリサイクル素材使用の取り組み
アルミピロー包材において、表面の印刷層にケミカルリサイクルポリエステル(再生ポリエステル)を使用する取り組み※1を行っています。ピロー包材とは、お薬の防湿性をより高めるためにPTPシート※2等をさらにポリエチレンなどで二次包装するための包材です。この取り組みで使用しているケミカルリサイクルポリエステルは、製造工程で出る端材などの廃棄物を化学分解・再処理したものを原料の一部に使用して製造された再生ポリエステルで、年間で4.5tのCO₂排出量の削減※3が期待できます。
また、製品の個装ケースでは、再生紙を使用する取り組みを行っています。個装ケースとは、PTPシートやアルミピローに包装された製品が入っている箱ですが、この箱の素材に再生紙を使用することにより、バージンパルプ(木材を材料にして製造した新しいパルプ)を使用した場合に比べ、4,725本の木材資源の節約※4となりました。
- 一部の製品において
- 錠剤やカプセル剤をプラスチックとアルミで1錠ずつ分けて密閉するシート
- 2022年の購入数量を基準に算出
- 2018年度実績

製品ケースの表面(外側)




紙の断面




再生紙には、表面に0.5mm角以下の、機械で検出できない黒や赤の点等が混じることがありますが、再生紙製造の際には、化学的・物理的・生物的汚染を十分に除去し、安全性の高い古紙パルプを使用しているため、安全面・衛生面に問題はありません。

節電の取り組み
消灯・減灯、空調温度設定、パソコンのモニタ照度設定・省電力設定、クールビズ・ウォームビズの実施、2up/3downのエレベーター不使用(階段使用)など、全社で取り組んでいます。
ハイブリッドカーの導入
沢井製薬では2011年度より、環境に配慮し、寒冷地を除く全国でハイブリッド車の導入を推進しています。2023年度末では、全266台の社用車のうち約97%の258台をハイブリッド車が占めています。
3Rの推進
廃棄物の減量化対策として、ごみの分別徹底・リサイクル紙コップの使用など、3R(Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル))を積極的に推進し、地球環境に優しい企業を目指しています。
気候変動に対応するために


「大阪府脱炭素経営宣言」企業として登録
2050年のカーボンニュートラル実現に向けて大阪府が脱炭素化を支援・促進している「脱炭素経営宣言登録制度」の事業者として登録されました。これは、脱炭素経営を宣言した事業者に対して大阪府が脱炭素経営宣言登録証を発行し、その事業者は脱炭素経営の支援を受けることができる制度です。
沢井製薬の宣言
必須項目1. 従業員とともに脱炭素経営に率先して取り組みます
必須項目2. 脱炭素化に向けた推進体制(担当者の設置、社内勉強会の実施等)を整備します
必須項目3. 宣言に関する取組状況調査のほか、府の脱炭素経営促進施策に協力します
任意項目1. 府や各種機関が開催するセミナーに参加するなど、脱炭素に関する情報収集に取り組みます
任意項目2. 日常的に脱炭素化を意識して、照明の消灯、空調等の適切な運用管理など、省エネに取り組みます
任意項目5. 環境性能の良い設備機器(照明・空調設備等)への更新に取り組みます
任意項目6. 社用車への電動車(電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、ハイブリッド車)の導入に取り組みます
任意項目7. CO₂排出量の少ないものなど、環境に配慮した物品・資材の調達に取り組みます
任意項目8. 自社のエネルギー使用量等の把握・管理を行い、CO₂排出量の算定に取り組みます
任意項目10. 自社のCO₂排出量の削減目標を設定します
任意項目11. 大阪府気候変動対策推進条例に基づく対策計画書・実績報告書を届出します
化学物質・水質・大気の適正管理
PRTR制度の指定化学物質の適正管理や、水質(BOD/COD)・大気(NOx/SOx)などの分析測定を実施し、管理体制を強化するとともに、法律・規制を順守しています。
生物多様性の保全のために


「経団連生物多様性宣言・行動指針」賛同登録
日本経済団体連合会の生物多様性宣言の趣旨に賛同し、「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」に参加して、生物多様性保全に取り組んでいます。
一般社団法人日本経済団体連合会のWebサイトに移動します。
生物多様性保全への取り組み
淀川でのイタセンパラ保護活動(外来魚駆除・河川敷清掃)に参加しています。イタセンパラとはタナゴの一種で、国の天然記念物に指定され、絶滅危惧種となっている魚です。淀川のシンボルフィッシュとして昔はたくさん見られましたが、一時は確認できないほど激減しています。
沢井製薬ではこの活動に定期的に参加しており、2023年度は、のべ27名が参加しました。


その他の取り組み


サワイ「環境マガジン」の配信
役員および社員に対し、環境に関するさまざまな情報を定期的に発信することで、環境問題への関心を高めるとともに環境保全活動への理解・取り組み推進に役立てています。
地域清掃
本社・工場・支店等、事業所周辺の清掃活動を実施しています。2023年度は、のべ708名が参加しました。
