オリジナル製剤技術SAWAI HARMOTECH®新技術公開のお知らせ
沢井製薬株式会社(本社:大阪市淀川区、代表取締役社長:木村元彦)は、オリジナル製剤技術ブランド「SAWAI HARMOTECH®」に新たに2つの技術カテゴリーと3つの技術を加え、自社コーポレートサイトに公開したことをお知らせいたします。
沢井製薬のオリジナル製剤技術ブランド「SAWAI HARMOTECH®」の概要
SAWAI HARMOTECH®とは、あらゆる角度から薬の「飲みやすさ」と「扱いやすさ」を徹底的に追求した技術群です。ジェネリック医薬品において、服薬時や調剤時の利便性向上、安定供給を実現するためには、製造過程における効率化や品質向上が重要な要素となり、技術開発は欠かせません。多くの品目を取り扱う中で、私たちはさまざまな課題に取り組み、特許を取得する技術を数多く開発してきました。時代のニーズに合わせて進化する技術を構築し、高品質な医薬品を市場に供給してまいります。
新たに公開する各技術の名称および概要について
1.印字技術カテゴリー/INJIKEEP®(インジキープ)
1.シリカ添加フィルムコーティング※1
フィルムコーティング液に多孔性シリカを添加し、インクがシリカの空隙に入り込むことで錠剤にインクを吸着させ印字安定性を向上させる技術※2です。

本技術に対する特許第7573565号
(※1)フィルムコーティング:苦味、臭い、原薬の飛散などを抑える目的で、錠剤に合成高分子の溶解液を噴霧、乾燥させて、皮膜を施すこと。
(※2)多湿条件下での印字安定性、及び擦過テスト(試験条件:指で強く5回擦る)におけるシリカの添加有無の比較による
2.インクが定着しやすい素錠※3製剤技術
素錠の印字が変色する原因を見つけ、変色が起こりづらい最適な添加剤のバランスを特定し、さらに、インクが素錠に染みこむ速度を調整することにより、インクをにじみにくくする技術です。

本技術に対する特許第7623427号
(※3)素錠:製剤の製造工程で粉末を圧縮し、一定形状に成形された状態のもの。錠剤表面にコーティングなどの皮膜を施していない錠剤。
(※4)導水時間:35秒以上(当社比較、前提条件:吸水率14~44%の添加剤を1~50%配合すること、及びD-マンニトールを含む素錠であること)
3.インクが定着しやすいフィルムコーティング※5
PVA※6誘導体ポリマーを用いたフィルムコーティング液で錠剤をコーティングすることで、錠剤にインクが定着し擦過による印字消えを起こりづらくする技術です。
本技術に対する特許第7263047号、特許第7519496号
(※5)汎用されるフィルム基材との比較による(試験条件:指で20回擦る)
(※6)ポリビニルアルコール
2.製剤評価技術カテゴリー/ODITEX®(オディテクス)
OD錠を口に入れた時に感じる錠剤の硬さやざらつき(異物感)を客観的に評価できる機器分析法を構築したことにより、官能試験※7をすることなく、飲みやすさを考慮した製剤設計が可能となる技術です。

本技術に関連する特許
- 特許第6937072号:口腔内崩壊錠の吸水速度による崩壊性を評価
- 特許第6852076号:口腔内崩壊性を有する被検物の食感評価方法
(※7)官能試験:人間の五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を使って品質を判定する方法
3.製剤評価技術カテゴリー/TASTEYE®(テイストアイ)
AI・ニューラルネットワーク※8を用いて人間の味覚を機械学習させ、原薬毎の味の違いや、感覚的な味の見える化/数値化を実現しました。より人間の感覚に近い結果を再現した味覚センサーで薬の味を評価する技術です。

特願2024-091704
(※8)ニューラルネットワーク:人間の脳の働きを模倣した機械学習手法
沢井製薬株式会社取締役 専務執行役員 研究開発本部長 横田祥士のコメント
医薬品の極めて重要な要素である印字に新しい技術でより「取り扱いやすさ」を、また、感覚に頼らない客観的な評価技術で、より「飲みやすい」製剤の開発を加速することができるようになりました。新たに加わった技術と併せて、SAWAI HARMOTECH®の目指す「良薬は口に良し」の実現に向け、さらに尽力してまいります。